Oncoplastic Breast Surgery
Online ISSN : 2432-4647
ISSN-L : 2432-4647
原著
当院におけるエキスパンダー感染症例の検討およびリスク因子の解析
西林 章光冨田 興一杉尾 勇太細川 亙矢野 健二
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2016 年 1 巻 2 号 p. 59-63

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抄録

 2013年7月よりアラガン社製ナトレル® ティッシュ・エキスパンダー (以下, TE) が保険適用となり, 乳房再建を希望する患者数は増加している。TE を用いた乳房再建における合併症として術後感染があげられるが, いったん感染が生じるとその対応は困難であり, 最終的に TE の抜去に至ることもある。今回, 当院で2013年7月から2015年7月の期間に TE 挿入を行った150症例 (一次再建87例, 二次再建62例, 左右異時再建1例) , 160乳房について, 症例検討および術後 TE 感染の危険因子解析を行った。150症例中術後感染を認めたのは8例で, 再手術に至った症例5例全例において TE 入れ替え術を行う際に持続洗浄ドレーンも留置し, 術後持続洗浄も行った。最終的に抜去に至った症例は2例であった。危険因子解析の結果より肥満, 一次再建腋窩郭清症例, 鼻咽腔 MRSA 保菌は有意に術後 TE 感染を増加させる因子であることが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
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