歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
界面活性剤の味覚神経反応におよぼす影響
杉原 邦夫山本 隆河村 洋二郎
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 19 巻 3 号 p. 463-468

詳細
抄録

ラットを用い, 各種界面活性剤, ならびに, これらの界面活性剤を配合したモデル処方歯磨の味覚に対する作用を, 電気生理学的手法により検討した。
蕉糖脂肪酸エステル (SE) それ自身では鼓索神経に著明な反応を生じさせず, また, 四基本味質の反応に対しても何ら影響をおよぼさなかった。ラウロイルサルコシンナトリウム (LS) 自身による神経反応はラウリル硫酸ナトリウム (SLS) と類似していたが, 弱く, SEと等モル混合することによりさらに減弱した。四基本味質反応に対する抑制作用もLSはSLSより弱く, 回復性の早いものであり, SEとの混合によりその作用は減弱した。SEおよびLSを配合したモデル処方歯磨の作用はSLSを配合したものに比べ, 四基本味質反応に対する抑制作用は弱く, 回復性の早い作用であり, 味覚への影響は少ないものと考えられる。

著者関連情報
© 歯科基礎医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top