歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
開口反射に対する修飾効果に関する研究
1.針通電の抑制効果
中嶋 正人
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1979 年 21 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

針通電による開口反射の抑制に関与する上位中枢神経部位を明らかにする目的で次の実験を行った。ネンブタール麻酔 (45mg/kg) ラット (260-500g) を用い, 歯髄の電気刺激 (0.5Hz, 0.1msec, 2-8V) により誘発される顎二腹筋の誘発筋電図をアドスコープ (ATAC-250) により20回加算し, その振幅を指標とした。針を合谷と曲池に刺入し, 5Hz, 1msecの矩形波通電を行い, 上記の顎二腹筋筋電図に及ぼす影響を調べ, その振幅が針通電前の値に対して50%以下に減少した場合に抑制効果があったと判定した。続いて脳の一部を除去し, 針通電前後の効果について比較検討した。その結果, 視床及び前視床下部の前方で切除した場合には, 抑制効果がみられたが, それよりも後方で切除した場合には, 抑制効果はみられなかった。したがって針通電による開口反射の抑制に関与する最上位の中枢神経部位には, 前視床下部が含まれているものと思われる。

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