歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
カエル下顎下制筋線維の機能的種類と興奮収縮連関入力機構
第3報 筋線維間の膜電位感受性の相違の発生原因
高橋 雅幸
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1998 年 40 巻 2 号 p. 96-107

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抄録

下顎下制筋線維間の膜電位感受性の相違の発生原因はfeet付着部T管膜表面の興奮収縮連関入力機構にあることからconcanavalin A-ferritin (Con A-F) をトレーサーとして同機構の分子動態の相違について電顕的に検討を行った. その結果, 筋線維が静止状態では, 膜電位感受性大の筋線維の方が小の筋線維に比較してConA-FはよりT管遠位側に位置していた. 活動状態では, 両者ともCon A-FはT管遠位側に移動したが, その移動量は膜電位感受性大の筋線維の方が大きかった.
以上より, 筋線維間の膜電位感受性の相違は, 興奮収縮連関入力機構部に存在する機能構造体 (electrometrin) の膜電位変化に伴う機械的動きの相違によるものであることが示唆された.

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