【目的】ロービジョンケアを行う上で、介護支援専門員との連携が重要と思われた緑内障患者を経験したので報告する。
【対象・方法】症例は右眼開放隅角緑内障、左無眼球で経過観察中の72歳女性である。右眼視力は(0.125)、視野は約3°の求心性視野狭窄で、糖尿病、高血圧、高脂血症、骨粗鬆症等の全身疾患がある。身体障害者手帳がなく介護保険は要介護1の認定を受け居宅サービスを受けていた。しかし視覚障害と関連性のある課題が解決されていないため、介護支援専門員との連携をとりながらロービジョンケアのためのプランを検討した。
【結果】介護支援専門員は、①買い物②転倒②投薬管理など視覚障害に起因した生活課題に対して、訪問介護と通所介護、訪問看護を提案し独自に改善を図ろうとしていた。一方、眼科側では、矯正眼鏡、遮光眼鏡、拡大鏡を処方していた。介護支援専門員との情報交換を行い、介護支援専門員側には弱視疑似体験レンズによって保有視機能を理解してもらうことができた。眼科側では、一般的な課題分析では把握しきれない潜在した生活課題があること、様々な非公的サービスによる包括的な支援内容があることなどが分かった。
【結論】介護認定を受けて居宅サービスを受けているロービジョンの症例では、介護支援専門員と相互に連携を図りながら進めることが有用であると思われる。