日本視能訓練士協会誌
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一般講演
光学式眼軸長測定装置OA-2000とOA-1000の比較
稲垣 明日香後藤 保人藤原 篤之金永 圭祐坂手 澪白神 史雄
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2017 年 46 巻 p. 99-105

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抄録

【目的】2機種の光学式眼軸長測定装置を用いて、測定精度を比較検討した。さらに、眼軸長測定時に影響を及ぼす因子について検討した。

【対象及び方法】矯正視力1.0以上を有する健常成人29名29眼(男性:12眼、女性:17眼)である。対象の平均年齢は27.62±5.15歳であった。眼軸長測定はTOMEY社のOA-2000とOA-1000を用いて行った。眼軸長は各機器の有水晶体眼モードにより連続5回の同日測定を行った。そして、解析は各機器における再現性と、変動係数(CV)を用いて測定値の安定性について検討した。

【結果】平均等価球面度数は-4.58±2.91 D、平均眼圧は13.31±2.26 mmHg、平均角膜厚は527.31±24.92 μmであった。平均眼軸長は、OA-2000で25.11±1.22 mm、OA-1000で25.05±1.22 mmであった。各機器を用いて連続5回の測定から得られた値は、有意差はなく高い再現性を示した(OA-2000:p = 0.95、OA-1000:p = 0.92、ANOVA)。測定値の安定性を検討した結果、OA-2000の平均CVは0.0002±0.0003、OA-1000は0.0005±0.0006で、OA-2000において有意に低い値を示した(p < 0.01、Wilcoxon符号順位検定)。眼軸長測定時に影響を及ぼす因子(年齢、等価球面度数、眼圧、角膜厚)について重回帰分析にて検討した結果、影響を及ぼす明らかな因子はなかった。

【結論】今回、OA-2000とOA-1000の2機種を用いて測定精度を検討した結果、再現性は差がないが、安定性はOA-2000において高い安定性を示していた。そして、眼軸長測定時に影響を及ぼす明らかな因子はなかった。

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© 2017 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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