2021 年 50 巻 p. 101-107
【目的】ステロイドパルス療法が奏功した外眼筋炎による両眼の圧迫性視神経症の1例を報告する。
【症例】75歳の女性。両眼の視力とCFFの低下、左眼上斜視、右眼の内転・下転を除く、両眼の全方向での眼球運動障害がみられた。OCTで明らかな網膜内層の菲薄化はなかった。眼窩MRIで、両眼の全外眼筋の腫大と眼窩先端部での視神経の圧迫がみられたため外眼筋炎による圧迫性視神経症と診断された。治療開始後1年で視力・眼位・眼球運動障害は改善した。
【結論】外眼筋炎による圧迫性視神経症に対する比較的早期のステロイド治療が良好な視力改善につながる。また、OCTによる治療前の網膜内層厚の評価は視機能予後の判断に有用である。