日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
一般講演
急性帯状潜在性網膜外層症として長期経過観察された急性梅毒性後部脈絡網膜炎の1例
蜂谷 雪乃関 正佳船津 真衣狩野 久美子田川 楓田﨑 渚沙瀬戸 寛子園田 康平
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 52 巻 p. 101-107

詳細
抄録

【目的】急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)として長期経過観察された急性梅毒性後部脈絡網膜炎の症例を報告する。

【症例】39歳男性。2019年X月左眼光視症を主訴に前医を受診し、AZOORとして経過観察された。13か月後、確定診断目的に当科紹介受診した。初診時、左眼の眼底に黄斑反射の低下と視神経乳頭発赤を認め、OCTでellipsoid zoneの不整、造影検査で視神経乳頭の蛍光漏出と多発性の蛍光貯留を認めた。血液検査で、梅毒性ぶどう膜炎と診断された。

【結論】眼梅毒は特徴的な臨床所見が乏しく、診断と治療の開始が遅れてしまうことが多い。診断に苦慮する症例では梅毒を鑑別診断に考慮する必要がある。

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本視能訓練士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top