2022 年 52 巻 p. 101-107
【目的】急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)として長期経過観察された急性梅毒性後部脈絡網膜炎の症例を報告する。
【症例】39歳男性。2019年X月左眼光視症を主訴に前医を受診し、AZOORとして経過観察された。13か月後、確定診断目的に当科紹介受診した。初診時、左眼の眼底に黄斑反射の低下と視神経乳頭発赤を認め、OCTでellipsoid zoneの不整、造影検査で視神経乳頭の蛍光漏出と多発性の蛍光貯留を認めた。血液検査で、梅毒性ぶどう膜炎と診断された。
【結論】眼梅毒は特徴的な臨床所見が乏しく、診断と治療の開始が遅れてしまうことが多い。診断に苦慮する症例では梅毒を鑑別診断に考慮する必要がある。