2023 年 53 巻 p. 141-146
【目的】色覚補正眼鏡ダルトンレンズの有効性の報告。
【症例】1型2色覚、 2型2色覚各1名に対してダルトンレンズを装用して検査を行い、色の識別が改善するかを調べた。検査に用いたのは石原式色覚検査表、東京医大式色覚検査表、パネルD-15、アノマロスコープ、日本眼科医会ホームページの「色覚異常者が見分けにくい色の組み合わせ例」、風景と身近な物の画像である。約半数の検査で改善が見られた。
【結論】ダルトンレンズを用いると赤系統の色が明るく、緑系統の色が暗くなり、色を識別しやすくなる。効果は限定的で正常色覚を得られなかったが、適切なダルトンレンズを使用すれば色覚異常者の生活の質が向上する場合がある。