日本視能訓練士協会誌
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バゴリーニ線条レンズ検査における対応の変化(内斜視を対象にして)
川浪 佳代細井 尚子出口 美智子三木 徳彦松坂 有紀横山 連
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1994 年 22 巻 p. 106-110

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抄録

バゴリーニ線条レンズ検査は,顕性斜視があると,固視眼の中心窩と斜視眼の道づれ領に像が投影される.今回われわれは,この検査で異常対応を検出した内斜視11例を対象に,斜視眼にプリズムを用いて中心窩に像を投影し,対応の状態を検討した.その結果,11例中9例では正常対応が検出され,残りの2例では中心窩に抑制がかかった.この9症例は,正常対応,異常対応のいずれにもはっきりした優位性が存在しないため,像の投影される網膜の部位によって,簡単に対応が変化するのだと考えられる.すなわち,斜視眼の道づれ領に像が投影されたときは異常対応を,中心窩に像が投影されたときは正常対応を示したのである.

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