視覚障害者老人施設で,大分視能訓練士専門学校の生徒27名が実習を行った.入居者59名の検査を約4時間で終えた.検査内容は生徒による問診・視力検査・板付きレンズによる簡単な矯正と医師による診察を行った.問診可能者57/59名(96.6%)視力検査可能者54/59名(91.5%)だった.視力が障害者手帳の1級に相当する人は26/59名(44%)いた.また,白内障・眼球癆などの疾患がみられた.
視覚障害者施設での実習は,短時間で多くの症例に触れることができ,有用な実習と考えられた.また,法令改正で,視能訓練士の業務は拡大し,その職域は保健・福祉の分野にまで広がってきている.このような状況の下で,これからの視能訓練士はやって行くのであるから,老人施設での実習という意味でも有用な実習といえると考えられた.