2018 年 11 巻 2 号 p. 121-124
芳香族アミンは発がん性が懸念されている化合物が多く,健康障害予防のためには,作業環境中の濃度をより正確に把握する事が重要である.芳香族アミンは原料として利用されることが多いため,作業環境には芳香族アミンだけでなく,芳香族アミンを原料とする合成品が共存物質として存在し分析の妨害物質になる場合もある.
本解説では,芳香族アミンを原料として合成品を製造する,労働環境での環境測定を想定し,作業環境を正確に把握する上で,共存物質の影響を考慮し分析方法を選択する必要性について述べる.