2022 年 15 巻 2 号 p. 131-135
静電気障災害は,製造現場や工場で静電気が要因で発生する事故である.爆発,火災事故などの大きな災害を伴うため,静電気対策製品の開発を進めていくことは非常に重要である.しかしながら,静電気障災害(爆発・火災)の発生確率を定量的に把握するために,プラズマ放電理論に基づく数値解析手法が必要になっている.そこで本研究では,タウンゼント理論・ストリーマ理論に基づく電気絶縁破壊の評価手法を検討するために,大気圧での空気絶縁破壊現象を対象に,粒子追跡法を応用した.この手法によって,電気力線に沿ってタウンゼントの電離係数を積分し,絶縁破壊のしきい値と比較することで,棒-平板金属電極間と平板-平板金属電極間での空気ギャップの絶縁破壊評価を行った.その結果として,粒子追跡法を用いた電気絶縁破壊評価手法の有効性が検証されたので報告する.