労働安全衛生研究
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原著論文
実大走行実験によるくい打機の不安定化挙動の解析
堀 智仁玉手 聡
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2009 年 2 巻 1 号 p. 19-26

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抄録
基礎工事用大型車両系建設機械(以下,「くい打機」という)は,上部旋回体と下部走行体で構成される大型の建設機械である.毎年,この種の機械の転倒災害が数件発生している.原因の多くは設置地盤の支持力不足にあるが,その背景にはくい打機がトップへビーな構造を有しながら自走することと,この機械が設置される施工現場が軟弱であることの2つの要因がある.本研究では,くい打機の自走時不安定化メカニズムを明らかにすることを目的に,実機を用いた実大走行実験を実施した.実大走行実験では機体の3箇所に3成分の加速度計を設置して,直進およびカーブの2つの条件で走行挙動を計測した.その結果,走行時のくい打機の応答加速度には,長周期的な揺れが確認された.また,カーブ走行では応答加速度に増加が見られ,くい打機が不安定化した際の特徴的な傾向が計測によって明らかになった.
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© 2009 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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