労働安全衛生研究
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原著論文
医療系職員の磁気共鳴画像技術の利用における安全意識調査
山口 さち子中井 敏晴
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2014 年 7 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

本研究では,磁気共鳴画像装置(MR装置)運用上の安全の認知度を問う調査票を実施し,MR装置の安全な運用の手立てとなる,医療従事者の間でのリスクコミュニケーションの方向性について検討を行った.調査対象は,医療技術安全教育セミナー2011講義参加者246人を対象とし,MRの安全に関する記述に対する認知度を4段階で評価した.その結果,設問20個全てにおいて診療放射線技師(N=51)はその他医療職(N=190)より高スコアを示し,かつ統計的有意差が観察された(p<0.001,t-test).また,その他医療職においては,MR検査を受けた経験があればある程度MR検査に関する安全知識も持ち合わせていた.因子分析の結果3因子が検出され,Factor1:「検査に関する安全の認知度」,Factor2:「磁界に関する安全の認知度」,Factor3:「MR装置に関 する安全の認知度」と命名した.因子ごとの下位尺度得点を,職業別,MR検査を受けた経験の有無別で比較すると,いずれの場合においてもFactor2が最も高得点を示したが(Tukey-kramer,p<0.001),それ以外の因子は診療放射線技師以外では認知度が低かった.また,検査を受けた経験による認知度への影響は限定的に観察された.MR装置運用時のトラブルは時に重大な人的災害を引き起こす可能性があることから,このようなMR装置の利用になじみの薄い医療系職員の安全意識の特性を踏まえたリスクコミュニケーションや安全トレーニングの取り組みが求められる.

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© 2014 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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