労働安全衛生研究
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特集技術解説
Pig-a アッセイ
-末梢血を用いるインビボ遺伝子突然変異評価系-
鈴木 哲矢 王 瑞生
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2014 年 7 巻 2 号 p. 101-104

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抄録
Pig-a (Phosphatidylinositol glycan anchor biosynthesis, class A) アッセイは,近年開発されたインビボで遺伝毒性を調べるための方法であり,遺伝毒性のモニタリングツールとして動物実験で徐々に利用されるようになってきている.Pig-a アッセイは,少量の末梢血とフローサイトメーターを用いて遺伝子突然変異の解析が可能な手法であり,従来のBig Blueやgpt deltaなどの遺伝子突然変異検出用のレポーター遺伝子を組み込んだトランスジェニック動物を用いた遺伝子突然変異解析方法と比較して,解析を短時間で効率的に行うことができる.また,解析に必要な血液サンプルは,動物の尾静脈より少量採血するだけで十分であり,実験動物を解剖する必要がないため,経時的に長期間,遺伝子突然変異の推移を調べることができ,また,他の毒性実験に組み合わせて遺伝毒性の解析を行うことも可能である.本文では,Pig-a アッセイの原理,実験方法,利点及び欠点を述べると共に,Pig-a アッセイの応用について述べる.
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© 2014 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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