抄録
産業現場において,振動型静電界センサは粉体の静電気安全管理の器具として活用されている.本研究では,粉体の浸入の防止策である送風が静電界センサの計測値に及ぼす影響を調べた.帯電物体を模擬した帯電板を用意し,静電界センサ内を送風しながら,送風圧力,平行平板電極間の電界強度(計算値),静電界表示器の計測値の3つのパラメータを用いて調べた.実験結果から,送風圧力の影響により,静電界表示器の計測値は,平行平板電極間の電界強度(計算値)と同値とはならなかった.また,送風圧力の影響により,零点がずれると共に,電界強度の検出が低下した.これらの主な原因は,チョッパの振幅が送風圧力の影響を受けていることであった.