2020 年 40 巻 2 号 p. 195-200
トップレベルアスリートのヒラメ筋肉ばなれ122例の特徴について検討した.またその急性期87例を,3つの損傷型(Ⅰ型:筋線維部,Ⅱ型:腱膜部,Ⅲ型:付着部)と3つの損傷度(1度:わずかな損傷,2度:部分断裂,3度:完全断裂)に分類し,73例で競技復帰時期との関係を調べた.平均年齢は27.4歳で,男性が83%であった.陸上競技での受傷が40%を占め,その半数が長距離走選手であった.MRI分類では,Ⅰ型2例,Ⅱ型81例,Ⅲ型4例と,ほとんどがⅡ型であった.Ⅱ型の1度(48例)と2度(31例)で競技復帰時期をみると,それぞれ1.6週と7.1週で,両群間に有意な差を認めた.肉ばなれのMRI分類は,ヒラメ筋についても有用である.