2020 年 40 巻 3 号 p. 315-319
本研究の目的は,高校野球選手において立位release pushテストと肩肘痛との関係を調べ,他の機能評価と比較することである.高校硬式野球選手98人を対象とし,立位と腹臥位でrelease pushテストを行なった.投球側の押す力が非投球側より弱い場合に陽性とした.さらに,徒手筋力検査にて肩関節周囲筋力を評価し,投球側が非投球側を比較した.肩肘痛の有無はアンケートと問診にて調べた.その結果,肩肘痛と有意な関係が見られたのは立位release pushテストだけであった.立位release pushテストは他の機能評価では検出できない肩肘痛の要因となる機能的問題を検出している可能性がある.