2020 年 40 巻 3 号 p. 347-350
症例は14歳男子.サッカー中に相手と交錯し左膝を受傷した.筋挫傷の診断で経過観察となるも,疼痛・可動域制限が持続し当院紹介受診となった.MRIで過伸展損傷を疑う大腿骨・脛骨前方の骨挫傷,後方軟部組織の高信号変化がみられた.拘縮解除のため,全身麻酔下に授動術を行ない可動域は改善したが,完全伸展位で末梢循環障害が出現,伸展時にエコーで膝窩動脈が圧排され,造影CTでは膝窩動脈の途絶がみられた.膝窩動脈の圧排を解除するため,後方アプローチで神経血管側背側の瘢痕組織を切離し,伸展時の循環障害は改善した.明らかな解剖学的異常はみられないが,外傷を契機とし急性に膝窩動脈捕捉症候群と同様の病態を呈したものと考えられた.