2020 年 40 巻 3 号 p. 355-358
目的:投球時の肘下がりを想定したテストを考案し,その有用性を検討することである.
方法:健常な中学野球選手(健常群)と投球肩・肘障害の診断を受けた症例群を対象とした.テストは,背臥位で投球側肘関節を耳孔の高さに位置させ,投球動作のlate cocking期に類似した肢位に設定した際に,肘関節が耳孔から耳垂の高さを維持できなかった場合は陽性と判定した.また,症例群の本テスト陽性者にストレッチ指導を行なった効果も検討した.
結果:健常群と症例群でテストの陰性率に有意差を認めた.また症例群の陽性者にストレッチ指導を行なった結果では,ストレッチの実施頻度によって本テストの陰性率に有意差を認めた.
結語:本テストの有用性が示唆された.