日本整形外科スポーツ医学会雑誌
Online ISSN : 2435-5828
Print ISSN : 1340-8577
 
初発前思春期投球肘内側障害の高分解能MRIとその病態
小川 健馬見塚尚孝辰村 正紀万本 健生平野 篤山崎 正志
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2020 年 40 巻 3 号 p. 372-376

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抄録

初発前思春期投球肘内側障害例の高分解能MRIを調査した.対象は,発症から4週間以内にMRI撮像できた15例である.単純X線で異常を認めたのは15例中9例のみであったが,MRIでは全例異常所見を呈していた.骨化核の異常が12例,軟骨膜の偏位が12例うち途絶は9例,尺側側副靱帯(UCL)またはその周囲組織損傷は14例,鉤状結節の異常は7例であった.前思春期の投球肘内側障害は,骨化核に形態学的な異常を認めずとも,骨化していない軟骨およびそれを取り巻く軟骨膜の異常と,UCLのたるみや信号上昇,そして周囲の軟部組織損傷が主体であり,その初発例は急性損傷の可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人日本整形外科スポーツ医学会
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