2021 年 41 巻 1 号 p. 20-25
野球選手の反復性肩関節脱臼の治療成績の報告は少なく,術式や後療法など不明な点が多い.本研究の目的は,野球選手の反復性肩関節脱臼に対する鏡視下バンカート修復術の術後競技復帰状況を調査することである.対象は投球側(T群)が65肩,非投球側(N群)が52肩であった.受傷原因はT群でヘッドスライディング,N群でダイビングキャッチが最も多かった.術前と比して術後のRowe scoreは有意に改善した(T群42.1→94.2点,P=0.01;N群39.9→93.7点,P=0.03).再脱臼をT群4肩,N群3肩で認めた.平均競技復帰時期はT群で11ヵ月,N群で6ヵ月であった.T群で47肩(72%),N群で43肩(83%)が競技への完全復帰しており,両群共にRowe scoreは改善した.投球側では,腱板疎部縫合(Rotator Interval Closure;RIC)を追加で行なった例に競技レベルの低下が認められた.