2021 年 41 巻 2 号 p. 109-113
成長期のスポーツ選手に生じた上前腸骨棘(以下ASIS)部痛の臨床所見,画像所見,離脱期間を検討した.対象は男子の10例で,初診時年齢は平均14歳,競技種目はサッカーが7例,野球が2例,陸上が1例であり,サッカー選手の6例では軸足側に発症した.急性発症はなく,比較的慢性の発症機転であった.単純X線像では,4例に1~2 mmの骨端線の開大を認めたが,MRIの脂肪抑制像では全例にASISの骨端部,骨髄,付着部周囲筋に高輝度変化を認めた.平均離脱期間は約7週間であったが,臨床,画像所見との関連はなかった.骨端線閉鎖以前のASIS部痛では,このようなoveruse syndromeに伴う病態を念頭におく必要がある.