2021 年 41 巻 2 号 p. 104-108
はじめに:半腱様筋腱の成長に伴う変化を組織学的に検討した.
方法:膝靱帯再建術時に移植腱に使用した半腱様筋腱の組織片18検体を評価した.対象患者を6例ずつMRIT2脂肪抑制像で骨端線が開存していた未成熟群(11.8±3.7歳),骨端線閉鎖から20歳までの若年群(15.7±1.5歳),21歳以上の成人群(37.7±5.3歳)の3群に分けた.組織片のコラーゲン線維径を電子顕微鏡を用いて測定し,各群間で線維径(平均と5分位数)と線維径の分布を比較した.
結果:コラーゲン線維径は各群の平均および5分位数のいずれも未成熟群で最小であり,成人群で最大だった.線維径の分布は各群間で有意に異なっていた(p<0.001).
結語:成長に伴い半腱様筋腱のコラーゲン線維径は増加していた.