2021 年 41 巻 2 号 p. 89-92
投球時の肘外反ストレスを軽減させるために,肘伸展位でボールをリリースすることが重要である.筆者らは肘伸展位でリリース動作を行なう力を評価するrelease pushテストを考案し,上腕骨内側上顆の形態変化との関係を検討した.対象は小学生野球選手239名とし,腹臥位および立位でリリースする位置まで手を挙げ,肘伸展位のまま筋力計測器を押すよう指示した.その結果,腹臥位でのrelease pushテストと内側上顆の形態変化に有意な関連が認められたが,立位release pushテストでは内側上顆の異常と有意な関連が認められなかった.腹臥位release pushテストは,小学生野球選手の肘関節内側障害の機能的要因を評価できる可能性が示唆された.