2022 年 42 巻 1 号 p. 27-31
内側半月板後根断裂(medial meniscus posterior root tear;MMPRT)に対してpullout修復術を施行した237膝(平均65歳,女性81.2%)を対象に疫学的特徴について検討した.患者数は男女ともに60歳代をピークとし,年齢上昇に伴い女性の占める割合は上昇した.Body mass index(BMI)ごとの患者数は,女性は20~25 kg/m2,男性は25~30 kg/m2をピークとし,BMI上昇に伴い女性の占める割合は減少した.また,MMPRT発症年齢とBMIは負の相関を認めた.さらに,painful popping eventは全体の78.9%で認め,MM後根部分断裂では完全断裂と比較して有意に発生頻度が低かった.これらの特徴を理解し,早期診断・治療につなげていくことが重要である.