2022 年 42 巻 2 号 p. 68-71
ウインタースポーツは雪上や氷上で速さや演技を競う種目が多く,パフォーマンスを行うための用具を使用するという特徴がある.そのため,外傷の発生率は高く,重度となることも多い.スキー・スノーボードのワールドカップにおける外傷疫学調査では,参加者の約1/3に何らかの外傷が発生し,部位別では膝が最多であった.全日本スキー連盟における調査でも同様の傾向で,種目別ではアルペンやハーフパイプ,スロープスタイル,ビッグエアで高い発生頻度であった.外傷予防のためには,疫学調査から得られた情報を分析しそれに基づいた対策を立てることや,選手が低年齢のうちから啓発を行うことが重要である.