2022 年 42 巻 2 号 p. 72-76
バスケットボールは急激なストップ,カッティングが必要な競技であり,外傷の多い競技である.その中で最も重篤な外傷は膝前十字靱帯(ACL)損傷である.われわれは,初発のACL損傷を予防するためにHip-focused Injury Prevention program(HIPプログラム)を開発し,大学女性バスケットボール選手を対象に介入研究を行った.その結果,非接触型ACL損傷が有意に減少したことを報告した.またHIPプログラムを実施した者の着地動作解析を実施した結果,トレーニング後には股・膝関節を屈曲させた着地動作に変化したことがわかった.次にこれを応用し,ACL再建術後のリハプロトコルにHIPプログラムを適宜導入した再断裂予防リハプロトコル(HIPプロトコル)を作成した.HIPプロトコルを導入前後で比較すると,導入後は再断裂が減少した.さらにHIPプロトコルを完了しスポーツ復帰した女性選手の片脚着地動作の二次元解析と垂直方向最大床反力(VGRF)の測定を実施した.その結果,着地時の膝屈曲角度やVGRFに患側と健側に有意差はなく,非対称性はみられなかった.