2023 年 43 巻 2 号 p. 61-66
目的:スポーツ傷害患者の治療経験から「殿筋の筋出力低下は,スポーツ傷害の関連因子である」という仮説のもと,健常アスリートとスポーツ傷害受傷者との間で大殿筋筋出力に差があるか否かを検証した.
方法:大学生運動部員347名(男性199名,女性148名)を対象とした.傷害分類1.受傷機転による分類2.VAS値による分類を用い,骨盤固定,非固定時の大殿筋筋力差を比較した.
結果:スポーツ傷害分類1.2.ともに各群の有意差を認めなかった.
結論:大学生運動部員において,スポーツ傷害の受傷機転や疼痛の程度による骨盤固定条件と非固定条件間の大殿筋筋力差は,観察されなかった.