2023 年 43 巻 2 号 p. 67-69
本研究の目的は4D-CTを用いて反復性肩関節脱臼の解析を行い生体内における生理的環境下での関節窩軌跡を動的に評価することである.対象は骨欠損を有する反復性肩関節脱臼患者3例3肩で,4D-CTを撮像し,得られたCT画像から3次元骨モデルを作成.独自に開発したソフトを用いて,上腕骨と肩甲骨の接触面積を計測した.その結果,関節窩軌跡の幅は,最大外旋位において最大内旋位と比較して狭い結果であった.平均接触面積の定量評価では患側の最大外旋は422 mm2,最大内旋位658 mm2と差を認めた.4D-CTは,生体内における双極性骨欠損の新たな評価方法となる可能性が示唆された.