抄録
本研究では,身体障害を有する地域在住高齢者164名を対象に作業的挑戦,作業参加,作業機能障害,抑うつ,健康関連QOLの構造的関連性を検証した.方法は横断研究を用い,仮説モデル1(作業的挑戦が作業参加を促進し,作業機能障害を軽減し,抑うつを改善する),および仮説モデル2(作業的挑戦が作業参加を促進し,作業機能障害を軽減し,健康関連QOLを改善する)を共変量の有無で評価した.その結果,いずれも共変量なしの仮説モデルが採択された.作業的挑戦は作業参加を促進,作業機能障害を軽減し,抑うつや健康関連QOLの改善に関与した.作業的挑戦への介入は,身体障害を有する地域在住高齢者の抑うつや健康関連QOLを改善する可能性がある.