2019 年 38 巻 4 号 p. 481-489
応用行動分析学(以下,ABA)に基づき,2歳4ヵ月の自閉症スペクトラム障害(以下,ASD)児に早期の集中的な介入を行った.コンサルタントである作業療法士(以下,OT)は,母親だけでなく,障害福祉施設のOTおよび言語聴覚士とも連携し,不連続試行法および機軸的行動発達支援法を活用した介入を,1日30分以上,週10時間未満の範囲で実施した.2ヵ月後,数十種類のコミュニケーションスキルが獲得された.本報告は,ASD児への早期の集中的なABA介入の有効性を示唆する.加えて,行動コンサルテーションは,家庭内だけでなく地域の療育機関の連携を可能とし,集中的なABA介入の実現に寄与する可能性がある.