作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
重度失語症者に対する作業に焦点を当てた実践
─手記を通して重度失語症者の意味のある作業が見えた一例─
田中 克一
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2019 年 38 巻 5 号 p. 617-622

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抄録

作業療法の介入では,人生観や生活観をふまえた興味・価値に基づく作業の提供の重要性が強調される.特に,自らがどうあることに価値をおいているのかという信念を反映する「自分らしい作業」への支援は,活き活きとした生活の再構築には重要な視点である.しかし重度失語症者の場合,それらをインタビューにて捉えることが難しい.今回,重度失語症のある事例A氏の訪問作業療法で,A氏から「手記(手帳)」を手渡された.そして「手記(手帳)」を分析することにより,A氏の人生観・生活観を理解し,「A氏らしい作業」への支援を行うことができた.

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© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
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