作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
研究論文
自閉スペクトラム症のある児の箸操作に関する研究
田中 啓規立山 清美原田 瞬日垣 一男
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2019 年 38 巻 6 号 p. 645-653

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抄録
本研究は,自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder;以下,ASD)のある児の箸操作の特徴を明らかにすることを目的とした.ASDのある児18名と定型発達児16名を対象とし,「箸の持ち方」,「箸の操作パターン」,「箸操作時の指の動き」を比較検討した.その結果,ASDのある児の箸操作の特徴として,「箸を開く時の一定しない母指の動き」,「橈側と尺側の分離運動の未熟さ」,「動きが一定しない不安定な指の動きによる箸操作」があることが明らかになった.また,これらの要因としては,手指の分離運動の未熟さ,視覚優位な情報の捉え方,行為機能の障害が影響していることが考えられた.
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© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
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