本研究の目的は,作業療法学生の自己決定意識が個人の中でどのように意味づけられているかを明らかにすることである.まず,作業療法士養成課程の大学生181名に自己決定意識尺度の回答を求めた.次に,尺度の回答および個別調査の協力が得られた66名の中から,尺度得点の高い者と低い者それぞれ3名,計6名を抽出し,自己決定意識についての個人別態度構造分析を行った.その結果,自己決定意識の高い者は,内的統制型で自律的な動機づけを有し,低い者は,外的統制型で他律的な動機づけを有しており,心理構造に違いが見られた.このことから,他律的動機づけから自律的な動機づけへの移行には,自己決定意識が重要であることが示された.