作業療法
Online ISSN : 2434-4419
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最新号
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巻頭言
第53 回日本作業療法学会基調講演
  • 安保 雅博
    2020 年 39 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    リハビリテーション科医と作業療法士は似ているところがある.何をやっているのかわからず,世間的にほとんど認識されていないところである.だから,需要が十二分にもありながら,供給が著しく足りない,なんともアンバランスな不人気な職種でもある.だから,低迷する要因にもなっている.ブルー・オーシャン(競争相手のいない未開拓の市場)であることを自覚し,時代の流れを鋭利に感じ,患者さんのためにリハビリテーション医療を戦略的・革新的に行うべきである.
第53 回日本作業療法学会教育講演
  • 竹林 崇
    2020 年 39 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    昨今,医療・介護領域でエビデンスに注目が集まっている.エビデンスとは証拠であり,正確な医療・介護を実施するためのフレームである.エビデンスに基づいたアプローチ(Evidence based practice)を行う際には,なくてはならないものである.しかしながら,リハビリテーション領域,特に作業療法の領域では,これらエビデンスの構築が遅れていると,団体内外から声が上がっているのが現状である.本稿では,その中でも比較的エビデンスが豊富な領域である作業療法における脳卒中後の上肢麻痺に関わるエビデンス構築の推移を,事例報告からランダム化比較試験まで記載した.
総説
  • 塩津 裕康, 倉澤 茂樹
    2020 年 39 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    本論では,自閉症スペクトラム障害児(以下,ASD児)に対する,より効果的な作業療法の開発に向けて,応用行動分析学(以下,ABA)を取り入れることを検討した.ABAは,強力なエビデンスを持つとともに,作業療法士はこれを適用するためのスキルを持っている.そのため,本論から我が国の作業療法士がABAを取り入れることを吟味し実践することで,ASD児に対する,より効果的な作業療法となることが期待される.
研究論文
  • 永井 貴士, 石井 良和, 市田 博子, 小森 愛子, 山田 孝
    2020 年 39 巻 1 号 p. 26-37
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,家族介護者の従事する「介護」という作業の構成概念を生成することである.要介護者と在宅介護生活を1年以上経験している家族介護者16名を対象に非構造化面接を実施し,SCAT(Step for Cording and Theorization)を用いて分析した.その結果,構成概念は102の意味コードが生成され,家族介護者の想い,介護する生活,介護と環境の3つの大カテゴリーが得られた.作業療法士は家族介護者の作業適応への支援として,これらの視点で検討する必要性が示唆された.
  • 韓 侊熙, 丸田 道雄, 髙橋 弘樹, 上城 憲司, 田平 隆行
    2020 年 39 巻 1 号 p. 38-46
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    脳血管障害患者の表情認知の特異性を表情名から表情画像を選ぶトップダウン情報処理表情認知課題(TDFERT)と,表情画像から表情名を選ぶボトムアップ情報処理表情認知課題(BUFERT)を用いて脳損傷領域別に比較した研究は希少である.本研究は両課題を用いて前頭葉損傷(FS)群,基底核損傷(BS)群,放線冠損傷(CS)群で成績の比較と特異性を調べた.領域間の検討からFS群とBS群はCS群に比べBUFERTの嫌悪と恐怖の成績が低下した.特に嫌悪は課題間の検討から3群ともTDFERTよりBUFERTの成績が低く課題形式により成績が異なる可能性が推察された.一方,喜び表情は3群ともに成績が高く他表情より認知しやすいことが推察された.
  • 吉村 友希
    2020 年 39 巻 1 号 p. 47-59
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,作業療法学生の自己決定意識が個人の中でどのように意味づけられているかを明らかにすることである.まず,作業療法士養成課程の大学生181名に自己決定意識尺度の回答を求めた.次に,尺度の回答および個別調査の協力が得られた66名の中から,尺度得点の高い者と低い者それぞれ3名,計6名を抽出し,自己決定意識についての個人別態度構造分析を行った.その結果,自己決定意識の高い者は,内的統制型で自律的な動機づけを有し,低い者は,外的統制型で他律的な動機づけを有しており,心理構造に違いが見られた.このことから,他律的動機づけから自律的な動機づけへの移行には,自己決定意識が重要であることが示された.
  • 佐野 裕和, 籔脇 健司, 佐野 伸之
    2020 年 39 巻 1 号 p. 60-69
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    地域リハビリテーションでは高齢者の役割支援が課題とされるが,役割の促進要因や健康関連Quality of life(以下,HRQOL)への影響を明らかにした報告はきわめて少ない.本研究の目的は役割チェックリスト3の日本語暫定版を用い,要支援・要介護高齢者の役割遂行,環境要因,身体機能がHRQOLへ与える影響を包括的に明らかにすることである.作成した仮説モデルを構造方程式モデリングにて分析した結果,環境要因からHRQOLへの直接効果と役割遂行を介した間接効果があった.一方,身体機能からHRQOLへの影響はなかった.要支援・要介護高齢者においては環境を包括的に支援し,役割遂行を十分に促すことでHRQOLの向上につながることが示された.
  • 森井 展子, 大塚 栄子, 吉野 眞理子
    2020 年 39 巻 1 号 p. 70-78
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    壮年期あるいは中年期に脳卒中を発症した人(以下,壮・中年期脳卒中発症者)が麻痺側上肢の不使用に至るプロセスを,その語りから明らかにすることを目的とし,麻痺側上肢の不使用に至った壮・中年期脳卒中発症者8名の語りを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチに準拠し質的に分析した.分析から20概念,4サブカテゴリー,4カテゴリーが生成され,壮・中年期脳卒中発症者が麻痺側上肢の不使用に至るプロセスは,周囲の人との社会的相互作用の中で,【発症前との比較】を行いながら,非麻痺側上肢を用いて【役割を担える自分の回復】に成功する一方,麻痺側上肢に対し【まだ使えない手という認識の深まり】を促進するものであると示された.
  • 中山 淳
    2020 年 39 巻 1 号 p. 79-87
    発行日: 2020/02/15
    公開日: 2020/02/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,軽費老人ホーム入居者で完全自立しておらず,リハビリテーションや食事以外の活動に参加しない高齢者を対象に転倒群と非転倒群に分け,転倒要因と結果から考えられる作業療法士(OT)の課題の明確化である.身体機能,日常生活評価(FIM),転倒転落リスク評価(FRI-5)を含む7項目を評価した結果,睡眠時間とFIMに両群間で有意な差を認め,FRI-5とは睡眠時間とFIMで負の相関を示した.睡眠時間の短縮とADLの介助量が多いことが,転倒しやすいパターンの一つであると推測される.さらに,環境調整に加え個々のニーズに合わせ自発性および活動性を向上させる作業療法プログラムを立案することが,OTの課題であることが示唆された.
実践報告
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