当院では脳卒中後の麻痺手に対し,課題指向型アプローチ(TOA)とTransfer packageおよび機能指向型アプローチ(IOA)とTransfer packageのプロトコルがある.今回,これらの差について報告する.対象はTOA+Transfer package群7名とIOA+Transfer package群6名でそれぞれの上肢機能(FMA)および麻痺手の使用行動(MAL/AOU,QOM)について比較検討した.結果,FMAは有意な変化を認めなかったが(p=0.18),MALはTOA群がIOA群に比べ有意な変化を認めた(MAL AOU:p=0.04,MAL QOM:p<0.01).よって,TOAは同じTransfer packageを実施したとしても,より効率的に練習で獲得した機能を生活に転移できる可能性が示された.