作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
多職種協働の中で実施したストレス対処行動獲得のための作業療法により自傷行為が減少したうつ病患者
林 良太黒田 健治田中 宏明稲富 宏之
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2020 年 39 巻 2 号 p. 231-238

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抄録

本報告の目的は,自傷行為を繰り返すうつ病患者に対して,多職種協働の中でストレス対処行動獲得のために実施された作業療法の効果を検討することである.症例はうつ病患者で,自傷行為がストレス対処行動として用いられていると考えた.多職種協働の介入目標を「自傷行為の減少」として,作業療法では,新しいストレス対処行動の獲得,ストレス要因の改善,ストレス要因に対する症例のとらえ方に介入した.その結果,自傷行為は減少し,新しいストレス対処行動の獲得を認めた.多職種協働の中で,ストレス対処行動の形成化,ストレス要因の改善,認知的柔軟性を獲得し,日常的に実践可能となるような介入により自傷行為の減少に繋がる可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人日本作業療法士協会
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