抄録
本研究では,セルフモニタリングによる効果的な転倒予防の指導方法を検討した.65歳以上の地域在住虚弱高齢者を対象に,3ヵ月間の介入研究を実施した.介入群は,転倒予防体操に加え活動スケジュール表の作成をした.コントロール群は,転倒予防体操のみであった.介入群は,①下肢筋力の向上や動的バランス能力の向上,歩行能力の向上,②認知機能の改善,③転倒恐怖感・転倒リスクの軽減,④身体的QOLの向上,⑤身体活動量の向上や社会参加活動の向上が認められた.虚弱高齢者に対する転倒予防の指導には,転倒予防の体操に加えセルフモニタリングをすることが効果的であった.