抄録
要旨:脳卒中上肢麻痺に対し,目的動作の動画観察後に動作を練習する治療法(運動観察療法;以下,AOT)がある.その有効性は示されつつあるが臨床適用に必要な情報は十分ではない.本研究では,AOTの作業療法での適用を検討するため先行研究を整理した.結果,12論文が抽出され,AOTの有効性・臨床的有意性は,回復期と維持期,軽度麻痺と中等度麻痺に示された.課題志向型訓練を段階づけて毎日行う実施方法はほぼ共通であったが,その他は多様であった.AOTは,患者の負担も少なく特別な機器や手技を必要とせず,治療前に自主訓練として動画観察させると治療時間が有効活用できる.AOTは作業療法の有用な治療法となりうるが,実施方法は検証の必要がある.