抄録
要旨:本研究の目的は,トイレ環境に着目した地域作業療法学でのフィールドワークの効果を,作業療法学生個人の認識の比較からテキストマイニングを用いて検証することである.対象は,3年制課程の作業療法学科2年生16名である.授業の第1講義開始直後と第15講義終了直前に「地域で活躍するために必要なこと」を自由に書き出し,フリーソフトであるKH Coderによる対応分析にて分析した.結果,大半の学生が,演習型授業の教育効果として教員が意図した,【体験的な知識】や【作業療法スキル】,【作業療法の領域】へと変化した.また,一部の学生では教員の意図しない,【基礎的な知識】への変化がみられたが,その要因の検証も可能であった.