作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
39 巻 , 6 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
原著論文
  • 斉藤 良行, 小島 伸枝, 木村 憲仁
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 657-663
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:回復期リハビリテーション病棟において,上衣更衣が自立した初発脳卒中患者56例を対象に,自立到達期間の影響因子を検討した.自立到達期間が1ヵ月以内,1ヵ月以降2ヵ月以内,2ヵ月以降の3群に分類し,年齢などの基本的属性,脳卒中機能評価法(以下,SIAS),神経心理学的検査,Functional Independence Measure(以下,FIM)を初回評価値で比較した.1ヵ月以内群はFIM上衣更衣・問題解決・記憶,SIAS下肢運動機能・感覚機能が高値であった.1ヵ月以降2ヵ月以内群の特徴は明確でなく,2ヵ月以降群はFIM社会的交流,SIAS視空間認知が低値だった.自立到達期間の影響因子は,認知機能や麻痺側下肢機能が主である.
  • ─転倒恐怖感と生活活動の変化に着目して─
    伊藤 竜司, 佐久間 大輔, 中島 ともみ
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 664-672
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)を活用した訪問リハビリテーションが,転倒恐怖感と生活活動に与える効果検証のために,訪問リハビリテーション利用者36名を介入群と対照群の2群に分け検討した.介入群はMTDLPによる介入,対照群は従来の訪問リハビリテーションを実施した.結果,介入群では活動・参加の改善を目指す具体的な目標が立案され,実際場面での活動練習,家族や関連職種との連携,環境支援などがバランスよく行われた.介入から3ヵ月後,介入群のみで有意な改善を認め,MTDLPの活用は自己効力感の改善により転倒恐怖感を軽減し,生活活動を改善させることが示され,活動・参加の促進と自立支援としての有用性を示せた.
  • 徳田 和宏, 石垣 賢和, 竹林 崇
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 673-688
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:上肢機能障害へのエビデンスの多くは,生活期を対象者とするものが多く,急性期においてもエビデンスレベルの高い研究が望まれるが,急性期の時期に比較試験を行うことは容易ではない.今回,脳卒中後上肢麻痺において,定期的な評価データを後方視的に抽出し傾向スコアの算出からデータプールを構築した.データプールの構築は,急性期において課題とされる対照群を設定することができ,本研究データを多くの施設が共有することで,既存の介入や新たな介入成果について検討できると考えられる.本データの使用例として,今回の対象期間に病棟実施型CI療法を実施した群を介入群とし,傾向スコアマッチングを行った.その結果についても検討したので報告する.
  • 石垣 賢和, 竹林 崇, 前田 尚賜, 髙橋 佑弥
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 689-703
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:エビデンスレベルの高い介入研究を実施するためには,対照群を設定する必要があるが倫理的に容易ではない.本研究では,一般臨床のデータを後方視的に抽出することにより,214名の脳卒中後上肢麻痺における回復期の傾向スコア算出のためのデータプールを構築した.データの使用例として,過去に著者らが実施した,対照群を用いない前後比較試験のデータを介入群とした傾向スコアマッチングを行った結果についても併せて報告する.本研究のデータを多くの研究者や臨床家が対照群として使用することにより,臨床研究の質向上に貢献できると考える.
  • 野口 卓也, 京極 真
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 704-714
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:ポジティブ作業に根ざした実践(以下,POBP)は,精神障害者の幸福の促進に有用であることが確認されている.他方,その介入に影響を与える個体差の要因は未検討である.本研究の目的は,POBPの介入に影響を与える個体差の要因を検証することである.対象は精神障害者であり,POBPに参加経験のある19名とした.分析は,POBP参加中に収集した縦断データを使用し,潜在曲線モデルを用いた.分析の結果,POBPの介入に影響を与える要因は入院回数の可能性が高いことが示された.POBPは入院回数の要因を除き,診断名,年齢,性別,生活環境,治療期間による個体差を超え,クライエントの幸福に寄与できる可能性がある.
  • ─対応分析による学生個人の認識の比較から─
    赤堀 将孝, 鍜治 実, 宍戸 聖弥, 亀山 一義
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 715-724
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:本研究の目的は,トイレ環境に着目した地域作業療法学でのフィールドワークの効果を,作業療法学生個人の認識の比較からテキストマイニングを用いて検証することである.対象は,3年制課程の作業療法学科2年生16名である.授業の第1講義開始直後と第15講義終了直前に「地域で活躍するために必要なこと」を自由に書き出し,フリーソフトであるKH Coderによる対応分析にて分析した.結果,大半の学生が,演習型授業の教育効果として教員が意図した,【体験的な知識】や【作業療法スキル】,【作業療法の領域】へと変化した.また,一部の学生では教員の意図しない,【基礎的な知識】への変化がみられたが,その要因の検証も可能であった.
  • 飯田 妙子, 新宮 尚人, 堀 雄介
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 39 巻 6 号 p. 725-732
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:青年期以降に自閉スペクトラム症(以下,ASD)と診断される場合,心理検査などの結果よりも,行動観察によって発達障害の特徴が把握できる可能性が指摘されている.そこで本研究では,直接観察による評価や評価時の作業療法士(以下,OTR)の観察視点によって,どのようなASD特有の日常生活上の行動特性が把握できるかを検証した.方法は,OTR 5名に対し,ASD者に対する社会生活技能の評価実施後,ASDの特徴把握に関するインタビューを行った.その結果,7項目から36の特徴・問題項目カテゴリが抽出された.その中でも,切り換えの困難さに関する特徴は,ASD特有の特徴を捉えたものである可能性が示唆された.
実践報告
短報
  • ~言語的妥当性の検討~
    牧 利恵, 小林 隆司
    原稿種別: 短報
    2020 年 39 巻 6 号 p. 765-768
    発行日: 2020/12/15
    公開日: 2020/12/15
    ジャーナル フリー
    要旨:就労支援領域で使用できる患者立脚型アウトカムが,本邦で求められている.そこで今回,Work Rehabilitation Questionnaire(以下,WORQ)の翻訳と言語的妥当性の検討を研究目的とした.方法は,Beatonによる尺度の異文化適応の順番に準拠した.まず,原著者に許可を得た後,2名が別々に翻訳をし,訳語をすり合わせた.次に逆翻訳を行い,原著者に確認をとり修正した.それから,専門委員会を開催して訳語を修正し,ドラフト版を作成した.その後,27名の対象者に予備テストを行い,答えやすさについての個別インタビューを実施し,さらに文言を修正した.最後に,最終版を原著者に報告し,日本語版がWORQのホームページで公開された.
第39巻総目次
第39巻著者別索引(五十音順)
feedback
Top