作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
リストバンド型活動量計を用いた継時的な上肢活動量計測によって日常生活における麻痺手使用が促進された脳梗塞後右片麻痺の1例
勝山 美海花田 恵介河野 正志市村 幸盛竹林 崇
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2020 年 39 巻 6 号 p. 733-741

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抄録

要旨:右上肢麻痺を呈した亜急性期脳梗塞患者1例に対して,リストバンド型活動量計を用いた行動心理学的介入(Transfer Package)を行った.作業療法介入は,第17病日から1回2時間,週3回,計10回行った.また上肢活動量計測は1週ごとに実施し,対象者に示した.その結果,麻痺側上肢機能と日常生活における麻痺手の使用頻度は改善し,外来終了2ヵ月後にも維持された.上肢活動量の客観的計測は,対象者と作業療法士の双方が麻痺手の使用状況を客観的に振り返ることができ,Transfer Packageをより効率化できると思われた.今後はケースシリーズ研究や比較研究を行い,その有効性を確認する必要がある.

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© 2020 一般社団法人日本作業療法士協会
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