抄録
要旨:日本作業療法士協会(以下,協会)が設立され55年が経った.協会の学術活動は,その時々の作業療法士の先輩たちの尽力により着実に発展してきた.日本作業療法学会は54回を数え,学術誌『作業療法』の発行,『作業療法ガイドライン』や『作業療法マニュアル』の発行などにつながっている.それらをふまえて協会は2018年に協会の「作業療法の定義」を改定し,作業療法士が,より作業に焦点を当てた治療,指導,援助を行う専門職であることを明示したが,今後は今まで以上に作業療法の学術的根拠を蓄積していくことが求められている.本稿では,筆者のこれまでの経験から,作業の魅力や作業の力について感じ考えたこと,その活用,作業療法の役割について述べた.