抄録
要旨:本研究の目的は,入院前と退院後のIADLの実施頻度と,退院時に予測した退院後のIADLの実施頻度を,縦断的に調査することである.回復期リハビリテーション病棟入院患者104名を対象とし,入院前,退院時,退院後のFrenchay Activities Index(FAI)でIADL実施頻度を測定した.結果,入院前と退院後では,ADLに大きな変化は見られなかったが,IADLの実施頻度は低くなることが判明した.また,対象者は退院時に「屋内家事」のみ入院前と同様の頻度で実施できると予測していたが,FAIの全項目で退院時の予測と比べて退院後のIADLの実施頻度は低かった.ADLが自立している対象者に対しても,入院中からIADLを支援する必要性が示唆された.