2021 年 40 巻 2 号 p. 195-203
地域在住高齢者の余暇的生活行為と社会関係の関連を明らかにすることを目的に,神奈川県綾瀬市在住の高齢者に質問紙調査を実施した.回答の不備を除いた1,587名の分析から,結束型ソーシャル・キャピタルは鑑賞活動,音楽活動,観光活動の実施ならびに娯楽活動の非実施に,橋渡し型ソーシャル・キャピタルは文化的活動,観光活動の非実施に関連があり,近隣住民との交流頻度はスポーツ活動,文化的活動,自然と触れ合う活動の実施に関連していた.以上の結果から,社会関係と余暇的生活行為の関係性は異なる様相を呈しており,作業療法士が地域在住高齢者の余暇的生活行為を促進するためには,対象地域での高齢者の社会関係の特徴に着目する必要がある.