抄録
脳機能とパフォーマンスとの関係性の解明は,脳機能の視点から運動課題介入期間を検討する基礎的資料の提示につながる.そこで健常者18名を対象とし,運動学習進行過程の前頭前野と運動感覚関連領域を近赤外線分光法にて測定し,脳血流動態および脳内ネットワークとパフォーマンスの関係性を検討した.その結果,運動学習の進行とともに前頭前野の脳賦活時間が漸減し,また,脳内ネットワーク効率が上昇した.さらに,パフォーマンス上達後,一部前頭前野の再賦活および脳内ネットワーク効率が低下した.本結果から,更なるパフォーマンス上達に向け,脳機能は変化し続ける可能性があり,同一運動課題の継続実施もまた,一手段と考えられた.