2021 年 40 巻 4 号 p. 481-487
要旨:回復期脳卒中後上肢麻痺を呈した5例の対象者に対して,時期をずらした2回のCI療法を実施したので,結果を報告する.上肢機能評価はFugl-Meyer Assessment(以下,FMA),Motor Activity Log(以下,MAL)を1回目と2回目の実施前後に実施した.1回目ではFMA,MALともに有意差を認めたのに対し,2回目ではMAL-AOUのみ有意差を認めた.1回目はShaping課題中心,2回目は重要な家事や職業動作,趣味活動などを取り入れた.ADLが改善し,退院後の生活を意識した時期にCI療法を実施することは,麻痺手の使用と具体的な作業活動獲得に影響する可能性がある.