作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
脳卒中回復期の高次脳機能障害に対するセルフアウェアネスに着目したアプローチ
─事例報告─
福山 千愛竹林 崇竹内 健太山口 理恵島田 真一
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2021 年 40 巻 4 号 p. 519-526

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抄録

要旨:セルフアウェアネスの低下は,日常生活動作の改善やリハビリテーションの阻害因子の1つである.しかし,セルフアウェアネスに対する介入方法やその効果は十分に検討されていない.今回我々は,高次脳機能障害によりセルフアウェアネスの低下を呈した回復期脳卒中患者に対し,作業活動にセルフアウェアネスの促進を目的とした行動学的技法を組み合わせたアプローチを実施した.その結果,身体機能,神経心理学的検査結果に著明な変化がないにもかかわらず,活動パフォーマンスの向上を認め,セルフアウェアネスの改善を示唆する知見を得た.以上より,本アプローチが,活動だけでなく,セルフアウェアネスの改善に対して有用である可能性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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